うつほの杜学園(仮称)の発起人の仙石恭子と申します。きっかけは、忘れもしない2020年の夏、新型コロナウイルスのパンデミック。世界的なロックダウンで仕事や暮らしがフリーズし、リモートワークが始まり、世の中の常識がガタガタと音を立てて変動し始めた渦中でした。海外や東京での長い経験を経て、故郷・和歌山愛が高まっていた私は、いつか貢献したいと思っていた故郷へ家族でUターン移住を考え、そこで自分に何ができるのだろうかと考えていました。
まず、息子を持つ母として頭に浮かんだのが、地方の教育選択肢の現状です。それはかつて地方から都市へ進学した時に痛感したことでもありました。「今帰っても、理想の学校がない。これだ!無いと思うなら自分でつくろう!」人生の点と点が全て繋がり、使命が定まった瞬間でした。
グローバル社会における理想の学校像となるイメージの礎には、2つの実体験がありました。1つ目は、かつて大学時代に経験し、学ぶことの意味と楽しさに出逢った、学習者が主体となるプロジェクト型の授業展開。2つ目は、現職のワイン輸入でイタリアの地方のワイナリーを訪れる際に出会った、グローバル(世界)な視座とローカル(地方)アイデンティティを持って幸せに生きるグローカルな人々の姿です。
「私が描く学校を求める人が、親御さんは、私以外にもいるかもしれない。」
2021年2月。声を挙げるとその仮説は実感となり、共感者と仲間が集まりました。
その後難航したのが開校地と自治体探し。諦めるものかと思った先に出会ったのが、いにしえから老若男女問わず、あらゆる人を受け入れてきた日本の聖地、熊野古道がある和歌山県田辺市です。
今や世界の聖地となったこの地は、1000年以上の歴史を持ちながらも世界から人が集まり、既にグローカルな文脈が整った学校を実現する上で、この上ない環境でした。
そこで、10年前に廃校になった、素晴らしい環境を持つ旧二川小学校と近隣住民の皆さまと出会います。
学校法人も無く、先生もその時にはまだ存在せず、資金もない。だけど、学校構想には今や多くの人が共感してくれていました。田辺市の住民の皆さまが、「この学校を誘致して欲しい!」という要望書となり市長に提出されました。
こうして我々もまたこの地に迎え入れて頂き、2023年5月16日には田辺市、廃校近隣の地元住民、一般社団法人うつほの杜学園設立準備会で3者協定を結びました。
この学校設立プロジェクトは現在、田辺市と共に、開校を目指しています。
この学校で学ぶ子どもは学校に通う子どものみならず、サマースクールや学童、短期スクールなど一人でも多くの子どもに探究的でグローカルな学びの機会を広げます。
私が描く未来は、世界中の人々と日本人が国境を超え、世代を超え、また社会の壁を超えてこの熊野の地で共に学び合う未来です。この地域がまずは学びのまちへと変わり、更にみんなの未来を変えていく学び合いの聖地となることです。
小・中学校設立の実現に向け、
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ご支援ご協力を賜りますよう、
心よりお願い申し上げます。